なぜか私に作った歌を聞かせようとするやつがいる。
以前私の携帯から誤って流れてしまった曲が好きだったらしい。
それ以来、定期的に自作の曲を持ってくるのである。
今聞かせてもらった曲は今度の文化祭で演奏するそうだ。
「どう?」とこちらには目も向けず、窓の外を見つめている。
外を飛んでいるあの鳥たちを見て飛んでいきたいとでも思ってそうな落ち着きのなさはいつものことだが、何曲も作ったのだからそろそろ慣れてはこないのだろうか?私は作ったことはないから分からないけど。
文化祭のステージのあいつはとても緊張しているように見えた。しかしあいつは人前に立つと言葉が多くなる。
MCをするあいつは決まっておちゃらけた言葉を並べ立てる。本質を知られてはいけないように。
きっとこの体育館の人たちは歌詞を聴き取れはしないだろう。この歪んだ音の中では叫んでいることしかわからないからだ。
しかし、それは彼にとって都合の良いことかもしれない。
誰に何を言うか。そんなことをわたしに聞いてきたことがある。そんなこと、分かるはずがないので「私は自分のことしか分からない。」と答えたことがある。なんだか妙に納得した顔をして「そうだよな」なんて言うもんだから私もいいアドバイスをしてあげれたなんていい気分になっていた。
いろんな歌詞を書く人がいると思うが、一定数の嘘や、盛った話が入るのは当然だと思う。
その人の価値観で変わるものなどに、決まった形など持たせないほうがおもしろいからだ。
きっとその人だけのつまらないこと、楽しいこと、興味があることになっていく。
しかし、作曲者はどういう心持ちなのだろう。作曲者のための曲ならば、その曲には必ず、その人自身が入っている。私はそう思っている。
あいつがいつのことを歌っているのかは分からないが、どんなに順番を変えて分かりづらくしようが、これはあいつ自身が感じたことなのだ。
と、偉そうに言ったが単純にところどころ詳しく書いてあるし、現実の話なのだろうと思っただけなのだが。
正直、歌詞の内容はよくわからないが、なんとなく言いたいことは分かる気がする。言語化はできないけど。
でもこれだけは言える。
あいつはとっても恥しがり屋だ。
あいつが作った他の曲「夕日」
https://nico.ms/sm35969511「りんご飴」
https://nico.ms/sm37712540
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