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sm37694614琴葉姉妹はトーヴェ城の一室へオイフェに案内された。応接間であるそこは豪華な美術品が並び城主の力を誇示したいという意思が明け透けだった。もっとも、もう城主はいないのだが。「この子は?」小さな子供がソファーに行儀よく座っている。身なりから上流階級出身であることがうかがい知れた。だがその表情は硬く両手を閉じた膝の上に押し付けるように縮こまっている。「ディートバ将軍の娘だそうです」扱いに困っていまして、とオイフェは言った。
二人は口を閉ざしたままの少女に無理やりコートを着せると強引に外へ連れ出した。雪を払って手近なベンチに座らせると葵は雪を丸めて赤い木の実をくっつけた。「はい、うさぎさんだよ」それを見て少女は目を丸くした。葵がもう一匹隣に並べてやると少女は葵とウサギを見比べてゆっくりと口を動かした。「おねーちゃんと同じ色の目」「やっと笑ってくれたね。一緒に作ろ!」遠くで雪だるまを作ろうとしていた茜はそれをみて大きな雪うさぎに作り替えることにした。途中からは三人で一緒に作った。
「お前のかーちゃんは立派な騎士やった。ディートバは天馬騎士として一歩も退かんかったで」
夕方になってようやく巨大雪うさぎは完成した。三人とも頬が真っ赤に上気している。「シグルドを恨んでもいい。でも二人とも守りたいもののために戦ったんや。戦いたくて戦ったんやない。それだけは知っといてくれな。シグルドは自分の正義のため、ディートバは天馬騎士の誇りのためにな。だからお前もおっきくなったら守りたいもんを守るために戦うんやで」少女は目に涙を溜めたがこぼすのは堪えた。葵が後ろから抱いてそっと頭を撫でた。
「……でも上司は選んだ方がええな」
翌日腹部をくりぬいてかまくらにされた雪像はいないと思うので忘れてください。
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