「透先輩、大丈夫〜?」<br>「大丈夫大丈夫。案外、檻の中も快適だし」<br>「浅倉ならどんな環境でもエンジョイしてる風に見えるけど」<br>「えー。そうかな」<br>「透ちゃん…。ごめんね、みんなを代表して透ちゃんが人質に…」<br>「いいっていいって。人質やる、って言ったの私だし」<br>「ダンジョンから秘宝を探し出して来ないと、族長の赦しが貰えないんだもんね〜」<br>「そう。言ってみれば私達みたいな部外者がこの村をうろつくには、それだけの証が必要って事」<br>「だ、だからって外から入って来た人をいきなり捕まえて処刑しようとしたり、人質にとって秘宝を要求するなんて…」<br>「そういう慣習の村だった、って事。ただそれだけ」<br>「でも…」<br>「第一、そんな事を言ってても今更どうにもならない。今は、その秘宝を探しに行くしかない」<br>「そ、そうだね…」<br>「まだ日が登ったばっかりだけど…期限の日没までに探さないと、透ちゃんが…」<br>「小糸、縁起でもない事言わないで」<br>「あ…ご、ごめんね…」<br>「透先輩、ちょっとだけ待っててね〜! ちゃんと秘宝を見つけて、すぐに戻ってくるから〜!」<br>「ふふっ。待ってるね」<br>「透ちゃん…それじゃ、また後でね!」<br>「うん。頼んだ」<br>「…すぐ戻る」<br>「おっけ。よろしく」<br>「…」<br>「あ」<br>「樋口」<br>「…?」<br>「ちょっと来て」<br>「…どうしたの」<br>「…あのさ。もし…駄目だったらさ」<br>「その時は戻って来なくていいから。ここ」<br>「…え」<br>「浅倉、何言ってーー」<br>「なるべく、この村から離れてさ。その後は…」<br>「…ゆっくり忘れてよ、私のこと」<br><br>原初⇒<a href="https://www.nicovideo.jp/watch/sm39238360" class="watch">sm39238360</a>