「じ〜…」
「雛菜…それ」
「あ〜、本物の円香先輩だ〜」
「…私のフィギュア、買ったの」
「フィギュアの円香先輩、うるさくないから本物よりすきかも〜♡」
「は?」
「ね、見てよ二人とも」
「あ〜、透先輩どうしたの〜?」
「じゃん、樋口のフィギュア。徹夜して並んで買っちゃった」
「あ〜、雛菜とお揃いだ〜!」
「お、奇遇じゃん。いいね」
「何で浅倉まで…ていうか徹夜って」
「だってさ…ふあ、眠…」
『おっ、三人共聞いてくれよ! 俺、やっと円香のフィギュアを見つけてさ、さっき買ってきたんだ! ほら!』
「あなたまで…」
「あは〜、プロデューサーも〜?」
『ん…二人もフィギュア、買って持ってきてたのか…! 奇遇だな…!』
「何この光景…」
「ふふ、樋口めちゃくちゃいるじゃん」
『はは、これじゃあ…』
《"あいつをさがせ"みたいだな!》
《円香がマジ反復横跳びしたみたいだな!》←
《天使と悪魔の墳墓で全滅しそうだな!》
「何こいつ…」
『い、今「こいつ」って言わなかった!?』
「気のせいです」
「お、遅れましたー…ってあれ? 円香ちゃんがいっぱい…」
「お、小糸ちゃんお疲れ」
「みんなで円香先輩のフィギュアを見せ合いっこしてたんだよ〜♡」
『ま、本物が一番可愛いがな! ハッハッハ…』
「(肘鉄)」
『ヴェ!』
「…。まさか、小糸まで私のフィギュア持ってきたとか」
「あ…実は私、今月お小遣いがピンチで…。買おうとは思ってるんだけど…ごめんね、持って来れなくて…!」
「別に気にしてない。というか…買うの」
「う、うん! だって…円香ちゃんがフィギュアになれたの、凄く嬉しかったから…!」
「…」
「でしょ、みんな…!」
『…小糸の言う通りだ。俺も円香がフィギュア化するって聞いた時、思わず声を出して喜んでさ』
『記念…って言うには月並みだけど、とにかく手元には置いておきたくてさ』
「良かったね、樋口」
「あは〜、円香先輩に先越されちゃったな〜♡」
「…」
「円香ちゃん、おめでとう! 来月になったら私もフィギュア、ちゃんと買うからね!」
「…いくらアイドル活動してるからって、実際に私達に入るお金は微々たるものだし」
「へ〜?」
「特にあなたなんて、フィギュアなんて買ったら財布の中が一層寂しくなるんじゃないんですか」
『ぐ…』
「それなのに、わざわざ…。馬鹿」
『…やっぱり、本物の円香が一番可愛いよ。そういう表情は、フィギュアじゃ到底見れっこないし』
「…大きなお世話」