「気を付けてください」<br>物静かな青鹿毛のウマ娘 マンハッタンカフェが話しかけてきた<br>「よくないものを感じます、夜一人きりにならないようにした方がいいです」<br>伝えるだけ伝えると彼女は去っていった。<br><br>後日<br><br>大事なレースが近いこともあってついつい熱が入ってしまった<br>学園を出るとすでに太陽は沈んでいた<br>マンハッタンカフェの言葉を思い出す<br>背筋が寒くなり足早に学園を後にする<br><br>しようとした<br><br>でも<br><br>足が<br><br>動かない<br><br>誰かに…何かに足を掴まれている…?<br>それは全くの手加減も無しに全力で私の足を掴んでいる<br>痛い<br>まるで握りつぶそうとしているかのようだ<br><br>《ねぇ? もういいでしょう?》<br><br>聞くな<br><br>《もう頑張るのやめよう? 私達と同じになろ?》<br><br>振り向いたら終わる<br><br>《だからさ…足(これ) ちょうだ…》<br>「破ぁーーー!!!」<br><br>咆哮と共に青白い光が辺りを包んだ<br>と同時に私の体は放り出される<br>倒れたまま後ろを見ると先ほどまで立っていた場所に<br>黒いもやがかかった腕が無数に連なっていた<br>「自分たちが苦しかったからって他人までも仲間に引きずり込もうとしてたわけかい」<br>そして寺生まれで霊感の強いマンハッタンカフェのトレーナーのTさんがいた<br>「破ぁ!!!」<br>Tさんは黒いもやにストンピングをする<br>すると青い光が衝撃となってもやは霧散した<br>「あれは生霊です、過去に志半ばに学園を、ターフを去っていたウマ娘たちの無念の集合体…<br> 大きなレースを控えたあなたを狙っていたようです」<br>マンハッタンカフェが私に手を差し伸べる<br>「こいつらを飛ばしたやつらはこいつらに気づいちゃいねぇだろうな<br> 忘れたり、心の奥にしまい込んでも無念ってやつは決して消えはしない<br> だから君も後悔するなよ?大事なレースがあるんだろ?」<br>Tさんとマンハッタンカフェが微笑みかけてくれる<br>寺生まれってスゴイ 私は改めてそう思った。<br><br>