三作目 <br><br>-絵師-<br> ツキイロ(@Hinoirosan)<br><br>「あいしてた」<br>そんな五文字に収まってたまるか 長編小説なのに<br>君からの返事は 決まっていつも<br>つぎはぎ シンプルで なんか悔しくなる<br><br>Hの濃さじゃ到底描けない Bでもまだどこか物足りない<br>君を描けない人生なんかいらない <br>どうかしてる 升目も罫線も飛び越えていきたい<br>句読点すら逃げ出すような 裸の愛をください<br><br>もっと素直に言えたなら 深読みせずにイケたなら<br>バカみたいだ 君だけでよかった<br>書いては消して繰り返し 最後の強がりで五文字<br>送信した「さようなら」<br><br>出逢った頃は書き順を守って 正しく愛し愛されていたよね<br>ショートカットできない思いで<br>書き殴る黒は仰々しく 編集者も読者も置きざり<br>滲んだインク擦れる頃 純文学も終わる<br><br>もっと素直に聞かせてよ 推敲せずに出していいよ<br>バカみたいだ 私じゃダメなのに<br>何も語らぬ横顔 ずるいよ やっぱり五文字だけ<br>返ってきた「ありがとう」<br><br>誤字や脱字すら愛おしい<br>そんな日々が いつしか二人にもありました。<br>パタンと音たて 君は消えてった 付箋つけたまま…<br><br>今日は素直に言えるかな 文脈なんて無視してさ<br> 「だいきらい」と<br>この後に及び強がって 薄い五文字を返しても<br>情けないな 行間が喋りだす…<br>脈絡もまとまりもない ただの駄文だな<br><br>割愛できない渇愛が 君を描く 愛を描かせる<br><br>「あいしてる」<br><br>