Music, Movie - 雨果
https://twitter.com/_amek_aPerformance - 冥鳴ひまり
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https://drive.google.com/drive/folders/1a0cn1n7DL16kgVtmxjO4FQ3PRQjMcl0V?usp=sharing「スモアの樹」
序章
奥に進むにつれ、空気中を漂う霧を意識するようになった。濃く、重く、周りのもの総てにまとわりついているような不思議な霧だった。空気は冷たくなり、太陽の光は頭上の木々によって更に遮られていく。煢々と歩みを進めていると、突然大きく開けた土地が見えた。
安堵感はすぐに孤独感へと変わって行く。しかし、それは街の中で、教室の中で、人混みの中で感じる孤独よりずっと心地の良いものであった。
時間も手伝って、もう一段階、肌寒くなってきた。木材ならたくさんある訳だが、火を熾す方法なんて分からない。そろそろ帰るか。お腹も空いたし。あぁ、ここに火を放って、この森ごと死んでしまいたいなぁ。
再び、夜が似合う森へと足を運んだ。陰鬱な雰囲気は確かにあったが、この晴れやかな気持ちに及ぶはずがなかった。
森を抜けたあたりで雲が顔を出し、街に差し掛かったあたりで雨が降り始めた。どうやらこれから強くなるようだ。
少し考えたが、結局コンビニで傘を買った。
痣だらけの足で、傘だらけの街を歩いている。どうしようもない私が歩いている。
あの高々と聳立している電波塔やビルも、事によると本物ではないかも知れない。あの空や、太陽や、行く雲までもがプラネタリウムみたいなインチキかも知れない。そんなことを考えながら。多分、そんなことを考えているから上手く世界に馴染めないんだろう。
気付けば玄関の前にいた。急いでドアを開き、中に這入る。
この、ベッドに横たわり雨音を聞いている時間こそが癒しである。世界のどれがインチキでも、この雨とこの雨音だけは本物であって欲しいと思うのだ。
あぁ、いつの間にか寝てしまっていた。
霞む目を擦った、そのときだった。