アゼルバイジャンは19日、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフで軍事行動を開始した。新たな戦争に発展する可能性もある。
軍事行動の目的は、アルメニア軍を追放するためだとしている。
ともに旧ソ連構成国のアルメニアとアゼルバイジャンはソ連崩壊後の30年間で、すでに2度の戦争を戦っている。その経緯を見てみよう。
<ナゴルノカラバフとは>
紛争の中心は、係争地ナゴルノカラバフだ。アゼルバイジャン国内の山岳地帯で、国際的にはアゼルバイジャン領として認められている。
だがアルメニア人は同地域を「アルツァフ」と呼んでおり、およそ12万人の住民の多くはアルメニア系だ。アルメニアに近い独自政府が存在するが、アルメニアも含めいずれの国からも独立承認されていない。
キリスト教徒であるアルメニア系住民は、この地域に数世紀前から暮らしていたと主張している。住民の多くがトルコ系イスラム教徒であるアゼルバイジャンもまた、歴史的に深いつながりがあると主張している。2つの民族による血なまぐさい争いは、1世紀以上前にさかのぼる。
<歴史的経緯>
ソ連崩壊後、この地では2度の戦争が起きた。1度目は1988年から94年にかけて、2度目は2020年に発生し、44日間続いた。
過去2度の戦争で、何万人もの人々が命を落とした。
最初の戦争では、100万人以上が家を失った。そのほとんどはアゼルバイジャン人で、アルメニア側がナゴルノカラバフを支配することになり、故郷を追われた。
2回目の戦争でアゼルバイジャンがナゴルノカラバフの3分の1を奪還した。
ロシアが両者の停戦を仲介し、ナゴルノカラバフとアルメニアを接続する「ラチン回廊」と呼ばれる道の警備に当たるため平和維持軍を派遣した。
<人道危機>
専門家によると交渉を重ねた結果、両者は恒久的な和平条約締結に近づいたものの、最終的な解決には至っていない。
ここへきて緊張が再び高まったのは、環境活動家を自称するアゼルバイジャンの市民グループがラチン回廊を封鎖したことがきっかけだ。アゼルバイジャン側の検問所が設置され、アルメニアへの物流が遮断された。
米国は、人道状況が急速に悪化しているとして危機感を示していた。また今週、赤十字国際委員会が支援物資を送るなど、対策に乗り出していた。
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