くろふみ
満月から四日後、日暮れから月が昇るまでの間に現れる
『くろふみ』に影を踏まれると身体を乗っ取られ自我を失う
『くろふみ』の名は、黒=影 を踏むの意
自我を失う前にある方法を取ると
『くろふみ』から逃れることができるとされている
■■ではこの方法がわらべ歌として
子どもたちの間で語り継がれている
■■に住む子どもはみなこの歌を知っているはずだが
ある年齢を過ぎるとこの歌を忘れ、その頃には『くろふみ』に出会うこともなくなるという
(時々大人になってからもこの歌を忘れられない者がいるらしい)
わらべ歌は以下の通りである
あかつき(注1)でたか ひふみよ
いつつき(注2)あがれ はよあがれ
くろふみくるぞ よみうい(注3)
くろふみきくな たごうぞ(注4)
よいこがみてる よみひ(注5)
ふたりはいらぬ よみひ
くろふまれたら かぞえましょ
くろふみみるな(注6) たごうぞ
注1 あかつき:明るい月、おそらく満月のこと。
注2 いつつき:五日目の月。満月の夜から五日目の月のことと推察。
注3 よみうい:『夜身愛い』との記載あり。
注4 たごうぞ:違えるぞ、間違えるぞの意。
注5 よみひ:不明。諸説あり。
注6 くろふみみるな:『くろふみ』と目が合うと自我を失うとされている。
わらべ歌から考えられる『くろふみ』から逃れられる方法は
【数を数えること】である
『くろふみ』の出現は満月から四日経った日ということから
【四つから順に一つまで数える】という説が有力であるとされる
追記1
■■では『二』が忌数とされている
町の老人は「二つが一つになる」と語るが
今ではそのようなことを気にする者はいない