都市巡礼 #5
解説:
https://note.com/ukiyojingu/m/md67e7f3dc739 深夜の街は、スクリーンの光に包まれている。私たちはその光に引き寄せられ、異世界へと誘われる。過去を振り返り、未来を思い描きながら、私たちはこの都市の一部となる。スクリーンに映し出される断片は、誰かの記憶や思い出の欠片だ。私はその欠片を拾い集め、都市の輪郭をなぞる。
広島郊外の学園都市に引っ越してから、SNSのスピードがやけに速く感じるようになった。BeRealやDiscord、Xのスペース機能など、即時性を要求するアプリケーションが私たちの生活に浸透している。デジタル空間上での「強制同期」は、私たちの意識を多孔化し、都市空間に無数の孔を穿つ。
デジタルスクリーンに初音ミクが偏在する現象は、都市の芸術的変容を象徴している。JR渋谷駅のスクランブル交差点に設置された大型ビジョンQs EYEや、山手線の車内に映像広告「トレインチャンネル」が導入されたことが、その始まりだ。都市の至る所にスクリーンが設置され、私たちの視覚を支配している。
2007年に生まれたボーカロイド文化は、リアルタイムでのコミュニケーションを錯覚させる疑似同期システムの影響を受けてきた。初音ミクをはじめとするボーカロイドキャラクターは、都市の地下で開催されるDJイベントやスマートフォンアプリ「プロジェクトセカイ」で顕現する。デジタル空間と現実空間の境界が消失しつつある現代、私たちはどのような思考回路を構築すべきか。
都市の芸術化は、私たちの感覚を麻痺させる。マーシャル・マクルーハンが指摘したように、メディアは感覚の切除であり、自己認識を禁じる。デジタルスクリーンに溢れる都市は、私たちを美的存在へと変貌させる。デジタル空間と都市の境界が消失する時代に、私たちはどのようにして自己を保つべきか。
スクリーンがランダムに抽出する誰かの痕跡、その集積としてのこの都市の中で零れ落ちてゆく何か。この都市の最下層に落ちている誰かの断片こそ、かつて誰かが「 」で囲われた主体であった痕跡ではないだろうか。
ukiyojingu作品集『都市巡礼』2025.12.30 release
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