せめてこの心臓さえ捧げられたら<br><br>歌唱:重音テトSV( <a href="https://kasaneteto.jp/sv/#sv2" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://kasaneteto.jp/sv/#sv2</a> )<br>制作:雨森文庫( <a href="https://x.com/AmeBunko" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://x.com/AmeBunko</a> )<br>オケ:<a href="https://x.gd/EXBrJ" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://x.gd/EXBrJ</a><br><br>特別ではない或日のこと<br>寂しさが飽和した教室<br>下校までの僅かな時間<br>だが既に結末は見えている<br>錆び付かせた言葉等要らぬ<br>どうぞ忌憚のないご意向を<br>だから一目でも良いのです<br>目張りをして目配せをして<br><br>静止した夜が明け方に狂うとき<br>あたかも恋は雨のように降り注いだ<br>柔らかな曲線程、創られた影は濃くなるね<br>理由もなく彼女は行きの電車を変えた<br><br>動機を紐解いた時、<br>その時だけ現れる感情が<br>純愛だったのだと、彼は幾度も頻りに呟いた<br>痛々しい未練は、必要な犠牲の一欠片<br>後悔はない 後悔はないんだ<br>瞼を焼き尽くした幸せな日々の記録は、<br>宛て人のない往復書簡のようなものでした<br>「眠りは深いのです」<br>痩せ細った頬を擡げて、<br>残ってしまったのは、感情と心臓ばかり<br><br>目の奥が軋む或日のこと<br>長い夜を幾度経てもなお<br>痛々しい傷跡と等価な<br>自問自答に意味なんて無いよ<br>孤独を紛らわせた日々を<br>屈託ない笑顔ある日々を<br>いつしか奪ったのは誰だ<br>「まさか、嘘だ、そんなはずがない」<br><br>水溜りがいつか部屋中に広がって<br>不安な心を希釈してくれる筈でした<br>「ここに記したことが事の顛末の全てです」<br>なんら変哲もない生き遅れな生涯なのですが<br><br>声明文の端書に、<br>花マルをつけた時、その時に<br>残された筆圧を見て見ぬふりしてやり過ごしたこと<br>未完成な痕跡は、僅かな希望を携えた<br>後悔はない 後悔はないんだ<br>最期の教室を見下ろした彼女の瞳が<br>世界を呪うような落ち窪んだ影を見せていた<br>「純愛だったのだ」<br>残ってしまったのは、感情と心臓ばかり<br>