まだ(仮)ですが、と前置きしつつ、れぷさんが新システムを持って来た。
いつもPC内でやっているお着替え仮合わせ、そのデータをVRに持って行くことで仮想空間ながら
当人のお着替えを完了するというもの、らしい。
しかしながら、オリジナルかのせなさんとれぷさんの個体データは(公証では)同じはず。
れぷさん仮合わせでOKが出たなら、VRでかのせなさんに着せる意味は無いのでは?
「いえいえ、VRで全部済ませられれば大幅なコスト削減が見込めます。
何せ、衣装そのものを作らなくてもアイドルちゃんたちのフォトやPVが作れるんですから」
これは盲点だった。
自社PVやグラビア、配信など内々でやれる仕事に限られたとしてもその恩恵は計り知れない。
VRデータのみならコラボ企画の衣装なども手広くやれるようになるだろう。
…もしやれぷさん、とんでもない大手柄なのでは?
「ところがぎっちょん。システムはまだ『仮』なのです」
ふむ、見たところ即席とは思えない完成度だが。
元がれぷさん用PC内お着替えをベースにしているので、システム移行も容易で――あ。
「お気づきになりましたか」
なるほどこれは致命的だ。
データがVR内に置かれる以上、万一外部から侵入を許せばとんでもないことになる。
PV中に衣装が消失したり、コラボ配信でローアングルが放送されてしまったり。
何より一番厄介なのはアイドルちゃん達の素体データだ。これが流出でもしようものなら……。
「現役アイドル脱がせまくりやりたい放題! FA〇ZAが祭りになりますね!」
…はいそこ大炎上祭りを嬉しそうに語らない。
「こほん。祭りはさておき。
まずは脆弱性の洗い出し、どこを突かれるかの確認が必要です。
既にかのせなさんにはVR空間にてスタンバってもらってます」
ようやく合点がいった。
仮システムを社長ではなく私に見せたのはそういうことか。
「なお、せっかくのVRなので普段かのせなさんが絶対着てくれないであろう衣装を用意しました。
報酬としてはささやかですが、何卒これでひとつ」
『あのー…れぷさーん? この衣装上着しか転送できてないみたいなんだけどー?』
待機しているかのせなさんから通信。
モニターを見ると……なるほど、これは十分な報酬だ。
もしもしかのせなさん、こちら教授。
その衣装はそれがデフォです本当にありがとうございます。
2025/02/12追記・サムネ静画
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