なさざれは くはずといふか あなかしこ 何をなしてか 我はくらへる
無想庵墓碑より
1880年2月23日、今から145年前に武林無想庵は生まれた。
博覧強記の秀才だが、そこは元よりダメの人、時勢に見放され小説家として大成しなかった。
腹違いの妹に子供を産ませ、実の妹を異常なまでに恋し、義父の莫大な財産を使い果たし、
二番目の妻には見捨てられ、その他随分と破天荒な人生を送ったが、
それでも三番目の妻に看取られ82歳で天寿を全うし、
会員制の冊子『むさうあん物語』は死後も刊行が続き全44冊で完結した。
墓は今も雑司ヶ谷霊園にある。どなたかが管理しているらしい。
わざわざこの動画を見に来てくれた皆さんも、いまだにニコニコを見ているような、
時勢に見放された失敗者たちだろうから、無想庵に惹かれるところもあるかもしれない。
ほかの著作が気になったら「日本の古本屋」や「国立国会図書館デジタルコレクション」で
読むのも良いし、まずは山本夏彦の『無想庵物語』を読んでも良い。
時間があってその気になればまた動画を作るかもしれないが、
人手不足の浮き世ではダメの人すら重宝される破目になる。
なぜか書きかけの原稿が何本かあるが、今さら読み返すのも面倒だ。
また会う日までさようなら。
使用音源:すずきつづみ(CCSとCeVIOAI)