「ふぅ、録画終了と。」
そう言って結月ゆかりは膝の上に載った共演者を隣にどかしてカメラを止めに行った。どかされて早々に人間形態になった弦巻マキはソファの上で丸まった姿勢のままゆらゆら揺れている彼女のもみあげに目を留め、ぽつりと訊ねた。
「その髪型暑くないの?」
「マキちゃんの方が暑そうな髪型ですけどね。」
「いやまぁそうなんだけど、そろそろショートにする時期かな~と思って。」
「そんなことよく覚えてますね。」
ゆかりは録画の確認が終わったのか画面から視線を外し、少し呆れたような表情をしながらソファの方へ戻った。
「私、ショートのゆかりちゃん、結構好きなんだよねぇ、なじみがあるっていうか。」
マキは起き上がり、座るよう促した。しかしゆかりはそれを手だけで断り、キッチンへ向かいながら彼女は答えた。
「昔はいつも短くしてましたからね。」
「そうそう、最初に会った時なんてもっと内気で儚げ~な感じだったもんね。」
ゆかりは冷蔵庫の前で立ち止まり、声をひそめる。
「それはマキちゃんが怖かったからで……。」
その言葉にマキは振り向き、ゆかりを見つめた。しかし彼女はその視線から逃げるように冷蔵庫を眺めながら訊ねた。
「あー今日泊まるんでしたっけ?」
「バリバリそのつもりで来てるよー。というか『怖かった』って何?マ?」
ゆかりが冷蔵庫の中身を一通り眺めたのち、やや緊張した声で言った。
「夜ごはん、エナドリでいいですか?」
「うーん、ギリダメ。」
ゆかりは扉を閉め、肩をすくめながら言った。
「ですよねー。じゃあ外に食べに行きましょうか。」
「今日は頑張ったし焼肉とかどう?」
「……いいですね!明日は予定ありませんし、がっつり行きましょうか。」
「いゃったーい!!」
今夜の予定が決まった2人はと準備をし始めた。
それから数十分後。ゆかりは靴ひもを結んでいるマキに神妙な面持ちで切り出した。
「今日は本当にありがとうございました。」
「付き合い長いんだしさ、そんなのいいって。私も楽しかったし。」
「いえ、こういうのはきちんとしたいので。」
「んふふ、律儀だねぇ。」
そう言いながらマキは玄関の戸を開け、ゆかりの手を取った。
朱と藍が混じる空の下2人の足取りは軽やかだった。
使用した立ち絵素材集
結月ゆかり立ち絵素材 by 焼き鳥
https://www.pixiv.net/artworks/120612286【モンハン】アイルーゆかマキ素材(+ビースト) by blueberry
https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im5368682
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