3:24でご指摘の飛車浮きについて補足します。
この飛車浮きは、
①「4六銀急戦型(vs4三銀型四間)に進んだ場合に3六飛3七桂の好形を作れる」という意味と
②「山田定跡型(vs3二銀型四間)に進んだ場合にあらかじめ相手からの3六歩~3七歩成の反撃を防いでいる」
という意味があると思います。
①の方は3局目で現れる飛車角銀桂の形(6:04)がそのままアンサーになるかと思います。
問題は②の進行です。これは実戦譜に現れていない水面下の進行になっています。
角頭を銀で守らない3二銀型四間への急戦は、居飛車の3五歩の仕掛けに対し、同歩,4六銀,
3六歩(!),3五銀,4五歩と、3筋の歩をかわした後に角道を通すのが習いある手筋になっています。
(4三銀型四間に対し同様の仕掛けを行うと、3五歩,同歩,4六銀,3四銀となり失敗。[参考:
sm44611297])
このとき左銀を攻めに使う急戦だと、3七の地点は銀と桂馬の2枚利きがあるので、相手の3六歩のかわしはすぐの脅威になりません。
しかし金無双急戦は右銀を攻めに使うので、3七の地点には桂馬の利きしかありません。
よって相手からの3七歩成,同桂,3六歩打ですぐに潰されてしまうのです。
この最後の3六歩打に対し「同飛車」と取れるようにしたのが②における飛車浮きの意味です。
この同飛車があるので、相手は3六歩とかわす手筋を使うことができません。なのでこの2戦目のように、3五歩,同歩,4六銀,4五歩,3五銀と歩を回収しながら形よく銀を五段目に活用できたのです。
この進行は振り飛車側の反撃の楽しみが少なく、基本的に居飛車良しの変化となります。
金無双急戦は「山田定跡、4六銀急戦、ポンポン桂、(4五歩早仕掛け)」といった複数の攻め筋への未分化の状態のまま進むので、一手一手の意味を把握するのがなかなか難儀ですが、実際に選ぶべき攻め筋は最終的にひとつに絞られていきます。
その選ぶ際の指針として、「各戦法のプリミティブな形と比較した際により指しやすい形になっている」という部分に注目するといいかもしれません。温故知新要素です。
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振りミレは升田幸三賞を受賞していませんでした。誠にごめんなさい。
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