セミが音色を奏でる季節、夏。
7月上旬であるにも関わらず、夏の厳しさはピークに達しており、俺達を殺す気でいるように感じた。
キーンコーンカーンコーンと休み時間を告げるチャイムが鳴る。
用事など特にはないが、おもむろに廊下へ足を踏み出す。
普段誰も見向きもしない廊下の掲示物だが、その日は違った。
俺の視界に入ってきた一枚のチラシ。それには大々的に「夏祭り」と記載されていた。
夏祭りかぁ……。あんまり興味ないけど誰か誘ってみるか。
そんなことを思いながら廊下を見渡す。視界の先には見慣れたツインテールとサスペンダーを身に着けた夏色と、彼女をチラチラと見ている二人組がいた。
近づいて盗み聞きをしてみる。
コショコショ話ディスタンスで話しているからか、かなり近づかなければ聞き取れないが何とか聞き取れる事ができた。
「なぁ、最近きづいたんだけどさ、夏色ってかわいいよな」
「あぁ……夏色いいよな」
「良い……」
なんだこいつらは!夏色の良さが分かっているのは俺だけでいい!!このままじゃ奴らに夏色が取られてしまう。
あふれ出る殺意を押さえ、4MBしかないメモリーをフル回転し奴らに夏色が取られない方法を考える。
あっ俺が夏色を夏祭りに誘えばいいんだ。
なんて簡単な事なんだ!しかし、これには問題があった。例え俺が夏色を夏祭りに誘ったとしても、断られる可能性があるという事を忘れていた。
断れたら俺はもう立ち直れないかもしれない。
ふと後ろからこの世の者とは思えない声が響く。
「弱き者の匂いがする……」
「誰だお前は!」
「小賢しい奴め」
「なっ!断られたら悲しいし、立ち直れないだろ!」
「逃げるのか?愚かな定命の者よ。逃げられんぞ」
「なら俺のどうしろって言うんだ。誘えって言うのか?」
「最後だ。愚かな定命の者よ」
「わかった!俺いくよ」
「また会おう、定命の者よ」
廊下を走りだし、声をかける。
「な、夏色。俺と夏祭り行かない?」
「え、まだ予定わかんないから無理」
「今日俺は、ソブンガルデに行く」
実は原作小説あります!!!!!!!!!!!!!!!!!!読んで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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