「ろうそくもらい」の風習は、北海道のものが有名ですが北東北の各地や新潟県の一部にも存在していました。この動画の歌は、本荘(現在の秋田県由利本荘市)の民謡をもとにしていますが、「五色短冊七夕柳よ」の節は北海道各地の唄から採ったもので本来の歌詞ではありません。伝承者は1920年生まれであることから、大正のおわりから昭和初期にかけて、七夕の行事の際に歌われていたもののようです。
「[七夕の日の]夕方、子供達が男は仮装、女は浴衣に薄化粧をして、燈籠[中略]を持ち、行列を組んで[歌詞省略]と唱えながらクネッテ家々を回り、ロウソクやお菓子を貰い歩いた」(『本荘市史 文化・民俗編』650頁)
「背の低いものから2列に並んで手をつなぎ、持ち寄りの美しいちょうちんに火を入れて、この曲を大きな声で歌いながら、町内の端から端までねり歩くのである。[中略]砂金をばらまいたような天の川を頭上にし、さわやかな稲の甘いかおりを運んでくる風をはだに感じながら、まっくろに立ちならぶ大木の中をねり歩く……だいだい色のほのあかりが揺れて行くその光景は、まさに幻想曲そのものであった」(佐藤1964)
なお『日本わらべ歌全集3 秋田・山形のわらべ歌』では、異なる伝承者(1907年生)による歌が採録されており、同じ地域(本荘)であり時代も近いのですが、歌詞・旋律ともにやや異なっています。この動画の歌は、下記の書籍にある楽譜をもとにしています。
「ねんぶりながしたながしたよ さあながしたながしたよ
ことしほうねんたなばたまつり おおえやえやや
ろうそぐ出せ出せや ださねばぶっちゃぐど その手でかっちゃぐど
ねんぶりながしたながしたよ さあながしたながしたよ
たなばたさんたなばたさん このよのあかりでござれござれ」(173頁)
〈佐藤清子「日本旋律の指導記録」(松本民之助『音楽創作の指導 創作する子らのために』1964年 所収)より〉
なお七夕は7月7日ですが、七夕祭の開始を前日の6日とする例も各地で見られます。
【令和七乙巳年旧七月六日=2025年8月28日動画公開】
この動画には 4 件のコメント
頻出ワード・盛り上がり区間・よくニコられたコメントなどを解析できます
読み込みに数秒かかります