山形大学の笑いと寿命に関する研究論文(Sakurada K, et al. J Epidemiol. 2020;30(4):188-193)を以下に箇条書きで要約します:<br><br>研究概要:<br>山形県コホート研究(Yamagata Study)に基づき、笑いの頻度と全死亡率および心血管疾患発症リスクの関連を前向きに調査。<br>対象:2009~2015年に山形県7市(山形市、酒田市、寒河江市、上山市、東根市、米沢市、天童市)で健康診断を受けた40歳以上の17,152人(男性40.8%、女性59.2%、平均年齢62.8歳)。<br><br>方法:<br>笑いの頻度を自己申告で3群に分類:週1回以上(よく笑う)、月1回以上~週1回未満(たまに笑う)、月1回未満(ほとんど笑わない)。<br>「笑い」は「大声で笑う」と定義。<br>追跡期間:中央値5.4年(最大8年)。<br>Cox比例ハザードモデルを用いて、年齢、性別、高血圧、糖尿病、喫煙、飲酒状況で調整し、リスクを評価。<br><br>結果:<br>追跡期間中、257人(1.5%)が死亡、138人(0.8%)が心血管疾患を発症。<br>笑いの頻度が低い群(月1回未満)は、よく笑う群(週1回以上)に比べ、全死亡率が約2倍(ハザード比1.95、95%CI 1.16–3.09)、心血管疾患発症リスクも有意に高い(log-rank P<0.01)。<br>心血管疾患発症リスクは、たまに笑う群(月1回以上~週1回未満)でもよく笑う群に比べ1.62倍高い(95%CI 1.07–2.40)。<br>笑いの頻度が低い群は、男性、喫煙者、飲酒者、糖尿病患者、独身者、身体活動が低い人で多い。<br>サブグループ解析:<br>女性、非高血圧、糖尿病患者、肥満、中程度の精神的ストレス、大学卒業以上の群で、月1回未満の笑いの頻度の群は全死亡率が有意に高い。<br>考察:<br>笑いの頻度は全死亡率および心血管疾患発症率と独立して関連。<br>笑いが健康行動(例:喫煙・飲酒の少なさ、身体活動)と関連し、免疫系や血管内皮機能の改善、ストレスマーカーの抑制に寄与する可能性。<br>制限:笑いの定義が「大声で笑う」に限定され、微笑みなどは未計測。健康意識の高い参加者による選択バイアスの可能性。<br>結論:<br>笑いの頻度は全死亡率と心血管疾患の独立したリスク因子。<br>日常生活で笑いの頻度を増やすことは、心血管疾患リスクの低減と寿命延伸に寄与する可能性がある。<br>笑い療法は低コストで導入しやすく、健康増進に有効な可能性。<br>その他:<br>世界初の笑い頻度と寿命の縦断研究。<br>研究は日本疫学会の英文誌(Journal of Epidemiology)に掲載。<br><br><br><br><br><br><br>