要約<br>藤原直哉氏は「21世紀はみんながリーダー」というテーマで、地主と老舗の力について講演しました。彼は日本の戦後社会における地主と老舗の力の衰退について分析し、これらが町や経済の安定に果たす重要な役割を強調しました。<br><br>藤原氏によれば、江戸時代には土地の売買が制限され、地主の地位が安定していました。また、デフレ経済の中で質素倹約を旨とした老舗商売が繁栄していました。明治時代になっても、政府は地主を大事にし、老舗も保護されていました。<br><br>しかし、第二次世界大戦後に大きな変化が起きました。長子相続制度が廃止され、家族間での財産分配が一般化したことで地主の土地が分散化し、地主の力が弱まりました。また、財閥解体や生活様式の変化、石油製品の普及、情報化の進展により、老舗企業も対応が難しくなりました。<br><br>藤原氏は現代の東京を「不動産戦国時代」と表現し、乱開発が進んでいると指摘しています。地主と老舗の力が弱まることで町の求心力がなくなり、一時的な繁栄の後に廃墟だけが残るという危険性を警告しています。<br><br>歴史的に見ても、京都や江戸は何度も焼き払われ再建されてきましたが、その中で地主や商売の形態も変化してきました。藤原氏は、現代は約400-600年続いた地主体制が終わりつつある時代だと分析しています。<br><br>しかし、銀座の伊東屋のように時代に合わせて商品や質を変えながら繁栄している老舗もあります。藤原氏は、地主と老舗には「組織を変える力」と「先見性」、つまりリーダーシップが必要だと強調しています。<br><br>ヨーロッパでは地主と老舗の力が強く、そのため町が壊れにくいと指摘しています。例えばロンドンでは中世からの街並みを保ちながら、地下鉄を掘るなど工夫して発展しています。<br><br>最後に藤原氏は、日本は昭和20年で一度区切りがついたが、残っている地主や老舗は未来に向けて頑張るべきだと述べています。自分のことだけでなく町全体のことを考えるリーダーシップが必要であり、それがあってこそ町は成功すると結論づけています。<br>