短い秋の某日、れぷさんから穏やかではない報告を受けた。<br> 今月に入って数度、ラボのシステムに侵入しようとした形跡があったという。<br>侵入はどれも浅い階層で、即セキュリティに掛かったため事なきを得たが、<br>気味が悪いことに変わりはない。<br><br> これを受けてれぷさんはシステムの全チェック、改めて問題がなかったことを教えてくれた。<br>普段ごろごろわんこな妖精さんだが、電脳関係はさすがの本職だ。頼もしい。<br><br>「それでですね、チェック中、思わぬセキュリティホールを発見しまして」<br><br> 肝を冷やす。見つけたのがれぷさんだったから良かったものの、もしも見えない外敵が<br>突いていたらどうなっていたか。<br><br> 該当箇所は以前仮設置したVR空間だった。<br>確かお着替えには便利ながら万一クラッキングされると危険と判断しそのまま。<br> <br> この「そのまま」が致命的だった。<br>なんとお着替えシステムと直結しつつもセキュリティ枠外にあったという。<br> これは怖い。いうなれば勝手口がフルオープンである。<br><br>「とりあえず管轄に入れて穴は塞ぎました」<br> <br> それとは半分別件で、とれぷさんは前置きして。<br><br>「あのVRはあくまで仮想世界なので、実際には存在しません。<br> あるように見せかける、だけです」<br><br> それはそうだ。お着替えシステムも作動しているがそれはデータ上のみで……あ。<br><br>「お気づきになりましたか。仮想空間ではかのせなさんの変身システムは上辺だけ。<br> つまり対紳士ジャミングは適応されず、眼鏡はお飾り、貞操ガードシールも貼ってるだけ<br>のノーガード。アヘらせ放題××し放題です」<br><br> 言い方。<br>にしても気づいて良かった。ラボメンが知ったら「電脳空間はノーカン」なとど言い出して<br>とんでもない暴走をやらかしたかもしれない。<br> 侵入撃退もさることながら、今回はれぷさん大手柄である。<br><br>「というわけで、どれだけ危険かを実践します」<br><br> えっ。<br> <br>「教授はリアルタイムでえっちな介入をブロックして下さい。<br> ちょっとした防災訓練ですね。失敗するとれぷさんはあっけなく堕ちます!」<br><br> とんでもない無茶ぶりである。<br>電子の妖精が自ら囮になりつつ、全力でクラッキングかましてくるのだ。なんだこれ。<br><br>「あと余談なのですが、偶然にも貞操ガードシールの欠陥も見つけました。<br> なんとびっくりセキュリティホールのダブルミーニングですね。ついでにそれも探してみて下さい。<br> 答えはいいね返信にあります。では始め!」<br><br><br>