<br>要約<br><br>藤原直哉氏による「21世紀はみんながリーダー」というタイトルの講演で、「とっさの場合の判断行動力」について話されました。藤原氏は近年の大型プラント事故や航空機事故などを例に挙げ、通常の状況ではマニュアルに従って問題なく対応できるが、想定外の事態が発生した際には人間の判断力と行動力が重要になると説明しました。<br><br><br>藤原氏は「スイスチーズの法則」を紹介し、複数の安全対策(スイスチーズの層)があっても、それぞれの穴が一直線に並んでしまうと事故につながると説明しました。どんなに安全対策を施しても、最終的には人間の判断力と行動力が被害を最小限に抑える鍵となります。<br><br><br>AI化やシステムの自動化が進む現代においても、想定外の事態が発生した際には人間の咄嗟の判断力と行動力が必要不可欠です。藤原氏は、この能力は昔の武士の心構えに似ていると指摘し、「常在戦場」の精神、つまりいつでも戦いに備えた状態でありながらも平常心を保つことの重要性を強調しました。<br><br><br>中小企業や個人企業の経営者は、常にこのような判断力と行動力を求められる立場にあります。経営においては数日単位の判断が多いのに対し、システム運用では数秒単位の判断が求められることもあります。<br><br><br>藤原氏は、標準的な手順やマニュアルを身につけることは重要だが、それだけでは想定外の事態に対応できないと指摘しました。マニュアル通りに作業することで変化や異常を見つけやすくなるが、最終的には「無心の世界」での判断力と行動力が生死を分けると述べました。<br><br><br>明治以降、武士の教育がなくなり、特に昭和50年以降はマニュアル重視の社会になってしまったと藤原氏は懸念を示しました。これからのリーダーには、とっさの場合の判断行動力を育てることが重要だと結論づけました。<br><br>