春日部つむぎさん。
彼女とは小さい時から仲が良くて、小さい頃は大きくなったら結婚するなんて言っていたものだ。
小学生の頃は互いの家に泊まりに行ったり手を繋いで帰ったり、本当に毎日が幸せだった。
だが、中学、高校と年齢を重ねていくにつれてクラスの中心にいる彼女を避けるようになっていった。
なぜかって?眩しすぎたんだ。いつも中心にいる天真爛漫な彼女が。
そして、俺なんかと話していることによって彼女に不利益が被られないかが心配で。
いや、違うな。ただの言い訳、詭弁だ。本当は嫌われるのが怖かっただけだ。
仕方ないだろ?小さい時からずっと一緒で、こんな俺にさえ優しく接してくれたんだから。
想いを伝えることも考えたさ。でも振られて話しかけてもらえることすら無くなってしまうのが怖かった。
だからこの想いを胸に秘めて置くことを決めたんだ。
彼女が東京の大学に行くって聞いた時、俺は大阪の大学に行くって決めた。
都会に行って自身をつけて彼女に振り向てもらうために。
でも今の俺には彼女と同じ場所にいれる自信はなかった。
大学はサークルにオシャレにバイトとなんでもやった。
人との交流をすることで彼女が見ていた景色を少しでも見たかったからだ。
だが、どんなに頑張っても俺は中心にはなれなかった。陰キャの大学デビューなんてこんなもんか。
みんなが俺を見て笑ってくれてるんじゃない。みんなが俺を笑いものにしているんだ。
気付いた瞬間すべてがどうでもよくなった。だから俺は彼女を追うことをやめた。
そんな中で同じサークルの子から告白された。
タイプはそうだな。彼女とは真逆。地味でいつもオドオドしていて日陰者。
なぜ俺かって聞いた。その子は言ってくれた。私と同類なのに頑張ってる姿に惹かれたと。
俺の頑張りは彼女ではないほかの子に届いてたんだ。そう思うと嬉しかったよ。
その子といれば彼女のことを思い出さずに済むし前を向けるのではないか?
俺は最低だ。俺なんかに好意を抱いてくれた子を利用しようとしてるんだから。
その日から交際が始まった。時間が経つにつれて俺もその子を意識するようになった。
意識をすればするほど、付き合った動機が申し訳なく、彼女のこと・大学で頑張った理由を話した。
嫌われるかとも思ったけど受け止めてくれた。その時誓ったよ。この子を幸せにしようと。
その時、彼女への恋心から憧れの人に昇華した。
月日がたち、年末年始に彼女と俺の実家に帰省した。
ついでに初詣も済ませよう。その時だった。彼女から声をかけられた。
なぜそんな寂しそうな顔をしてるのだろう。