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いつも聴いて頂いている方、初めましての方、聴いて頂いて有難うございます!✨
悩みましたが、TOP100で出させて頂きました!
猫叉招来譚、第一章です!
今回のお話を記します
その昔、まだ人と妖の境が曖昧であった頃。
半島の小さな集落に、一匹の白猫が暮らしていた。
雪よりもなお白い毛並み、月光を映したような瞳。
人々はその猫を「幸運を呼ぶ猫」と呼び、災いのない日々を願って頭を撫でた。
猫もまた、人を嫌ってはいなかった。
囲炉裏のぬくもりを知り、優しい声を知り、名もなき幸福を知っていた。
―それが、永遠ではないと知るまでは。
ある日、ほんの些細な冒険心が、運命を変えた。
見慣れぬ山道。
深く、深く踏み入ってしまった森。
鹿と猿の影が蠢く気配。
戻る道は消え、足場は崩れ、
気付けば――
断崖の底、浜の荒波のそばに白猫は取り残されていた。
這い上がれぬ崖、届かぬ声。
そこへ、難破した船から流れ着いた一匹の雌猫が、波に押し戻されるようにして浜へ辿り着いた。
衰弱し震え、それでも生きようとする小さな命。
白猫は寄り添った。
体温を分け、鳴き声を張り上げ、空へ向かって助けを求めた。
だが、海は答えない。
波はただ、繰り返し押し寄せるだけだった。
やがて、腕の中の命は静かに冷えていった。
その瞬間、白猫は知った。
自然の猛威は理不尽であり、祈りは届かぬことがあるということを。
怒りではなかった。
絶望でもなかった。
それは、誓いだった。
「――目の前の命を救う代わりに、
私の幸せはすべて捧げよう。」
海へ向かって、そう告げた。
すると、波の彼方から声が響いた。
それは神の声だったのか、
それとも妖の囁きだったのか。
白猫には分からなかった。
ただ、その身に宿ったのは“神力”ではなく、どこか歪で、しかし確かな“妖力”だった。
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