魔法使いと魔導人形 第一頁「旅立ち」
世界の最果てに存在する森。その更に深奥にひっそりと建つ塔に、少女と老人が住んでいた。
少女の名はフリエ。彼女には幼い頃の記憶が無く、物心が付いた時には
既にこの塔の中で、ルシウスという聡明な老人と共に暮らしていた。
フリエに対して一般常識から自然科学、魔法学、戦術に至るまであらゆる事を教え
「お師匠」と呼び慕われていたルシウスであったが、ある日、彼は病に倒れこの世を去る。
一人残されたフリエが遺品の中に見つけたのは、彼が遺した一式の魔導人形の設計図だった。
───4年後。
難解な設計図を解読し、フリエは魔導人形・リーゼを完成させていた。
力仕事が苦手で魔法の研究に没頭しがちなフリエを支え、森での食材調達から身の回りの世話までこなすリーゼは、今やかけがえのない家族だ。
フリエはリーゼにこの世界の理を教える為に、日々講義を行っている。
ルシウス譲りの聡明さを受け継いだフリエは、リーゼの純粋な疑問の数々にいつも淀みなく答えていた。
しかし、ある日の生命についての講義中、リーゼが静かに問いかける。
「フリエ、生物は何故生まれるのですか?」
「それは、喜びや哀しみを分かち合ったり、命を繋いでいく為かな」
「ではフリエ、感情が無く、また命も無い人形の私は何故生まれたのですか?」
「あーっと…それはー…」
悪気のない、しかし鋭い問いかけに、フリエは言葉に詰まった。
リーゼを道具ではなく、対等な存在として大切に思っているからこそ、軽々しく答えを出すことができなかった。
「ごめん、今日の講義は…おしまい…」
見たことも無いほど肩を落としたフリエは、大きなため息とともに自室に籠り、やがて塔の中を重い沈黙が支配した。
明くる日の朝、塔の玄関を掃除していたリーゼに、魔導書を抱え、大きな鞄を背負ったフリエが話しかける。
その瞳からは昨日の落ち込みは消え、希望の光が灯っていた。
「リーゼ、前に教えた全知の泉って覚えてる?」
「世界のどこかにあるという、一つだけ質問に答えてくれる伝説の泉…でしたね」
「リーゼ、探しに行こう」
「はい?」
「私たちの生まれた意味!私もそろそろ魔法の研究に飽きたし、この世界のこと、本で読むだけじゃなくて、もっと自分の目で見て知りたいから!」
「はぁ…?」
状況を呑み込めないリーゼの手を引きつつ玄関の扉を開け放つフリエ。
二人の旅の始まりを祝福するように、森には暖かな陽光が降り注いでいた。
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https://note.com/strandslopekame/n/n52f8158f9460------------------------------------------------------------------------------------------
一部の曲のオフボ置き場→
https://piapro.jp/st_slボカロ系自作曲とカバーのマイリス→
https://www.nicovideo.jp/mylist/75943002歌ってみた曲のマイリス→
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