フジテレビに激震が走った。この事件は単なる「一企業の不祥事」に留まらない。芸能界全体に蔓延る悪しき習慣、そして日本企業特有のガバナンスの甘さという根深い問題を一気に噴出させた。
第三者委員会の報告書、そして6月の株主総会で、フジテレビ、ひいてはメディア業界は変わるのだろうか? この問題の本質と今後の業界の行く末を読み解く。
世間を賑わせているフジテレビの問題を深掘りする。
ただし、このテーマは非常に流動的であり、ここで取り上げる内容は「現時点で判明している情報」に基づいたものであることをあらかじめ断っておく。
そのうえで、足元の出来事ばかりを追うのではなく、今後どういう方向へ動いていくのかを予測したい。
フジテレビでは第三者委員会の設置が決まり、3月末をめどに報告書が提出される予定だ。
この第三者委員会は、「実際に何が起こったか」についてもある程度は事実関係を把握するだろう。しかし、守秘義務やプライバシーの問題もあり、すべてを外部に開示できるわけではない。
また、コーポレートガバナンスの観点からいえば、「フジテレビが、今回の不祥事を起こしたとされる人物をそのまま番組に出し続けていたこと」や「新番組をさらに企画していたこと」が適切だったのかという点、これを経営陣がどう判断していたのか、そしてその判断がコーポレートガバナンス上どれほど妥当だったかが最大の焦点となる。
第三者委員会の報告書で「明らかに問題があった」と指摘されれば、6月の株主総会までに役員の人事が大きく変わる可能性がある。
〈トップが変わっても会社の本質は変わらない、日本のメディア業界〉
今回の問題に直接関わっていたとみられる経営陣、例えば社長や関連部署の責任者といった面々は、引責辞任する展開も十分に考えられる(その後、フジテレビの港浩一社長、フジテレビとフジ・メディアHDの嘉納修治会長が辞任を発表)。
しかし、日本の大企業、とりわけ放送局のような体制を持つ企業では、実質的な親会社と子会社が入り組んだ複雑な構造になりがちだ。
事実、フジテレビの場合、上位に「フジ・メディア・ホールディングス」という公開会社があり、そちらに会長・副会長・社長がいる。
さらに、隠然たる力を持っているといわれる相談役が存在するなど、ヒエラルキーは非常に複雑だ。(続く)
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