――いらない。この方の傍に居る権利以外、何もかも。雛菊が帝州での春顕現を進める中、さくらの心は乱れていた。十年前、雛菊が攫われる原因となった冬の里襲撃事件。責任の一端を負っている冬主従の存在を、主が憎むことなく慕う言葉を言い続けるからだ。さくらは再び過去を追走する。主が賊に誘拐されてから、さくらは冬の里に身を寄せるも、ある日飛び出し、一人で健気に雛菊を探していた。そこでもたらされる雛菊の帰還の報は、さくらに歓喜をもたらしたが、同時に悲劇の始まりでもあった。「もとの、ひなぎく、は、死んじゃった。今の、ひなぎく、は、ちがうひと」機械のような辿々しい喋り方をする雛菊。「みんな、『あの子』が死ぬの、待ってた、んでしょ。なら、そうしてあげる。そのうち、今の雛菊も、死ぬ、から、放って、おいて」あまりにも世の中に絶望し、自暴自棄になっている彼女に、さくらはそれでも告げる。「さくらの還る場所は、一つです」代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――厳しい暑さの夏は自分を疎んだ大地への嘆き。段々と生命の死を見せていく秋は自分をまた受け入れてもらう為の時間として。大地がそれを受け入れたので、季節は春夏秋冬と巡るようになったのである、と。
花葉雛菊:貫井柚佳/姫鷹さくら:青山吉能/葉桜瑠璃:上坂すみれ/葉桜あやめ:馬場蘭子/祝月撫子:澤田 姫/阿左美竜胆:八代 拓/寒椿狼星:坂田将吾/寒月凍蝶:日野 聡
原作:暁 佳奈(電撃文庫/KADOKAWA刊)/原作イラスト:スオウ/監督:山本 健/アニメーションアドバイザー:古橋一浩/シリーズ構成:久尾 歩/キャラクターデザイン:鳥井なみこ/ビジュアル開発・イメージボード:米谷聡美・久保雄太郎/美術監督:竹田悠介(Bamboo)/色彩設計:中村絢郁(WIT STUDIO)/色彩設計補佐:生田さら(WIT STUDIO)/撮影監督:野澤圭輔(グラフィニカ札幌スタジオ)/編集:柳 圭介、ACE/音響制作:東北新社/音響監督:木村絵理子(東北新社)/音楽:牛尾憲輔/アニメーションプロデューサー:大谷 丞/アニメーション制作:WIT STUDIO
©暁佳奈・スオウ/ストレートエッジ・KADOKAWA/春夏秋冬代行社
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