東京国立近代美術館の所蔵作品展(MOMATコレクション)を主任研究員の成相さんの案内で見ていきます〜!全13部屋を一挙紹介!贅沢である!
【出演】
成相肇(東京国立近代美術館主任研究員・コレクション情報発信室長)
過去の主な企画展
「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン 「遠く」へ行きたい」(2014 年@東京ステーションギャラリー)
「パロディ、二重の声――日本の 1970 年代前後左右」(2017 年@東京ステーションギャラリー)
「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」(2025年@東京国立近代美術館)
など
いいだ(編集者/よそ見)
https://x.com/UraIida=====
【なぜこの企画をやるのか?】(いいだの個人的な考えです)
2026年3月、文部科学省が定めた国立博物館&国立美術館の「中期目標」についての報道があり、その内容の是非をめぐってネットで(主にXで)大きな議論が巻き起こりました。その一連の流れを見ていて私は「よし、ちょうどいい!東近美のコレクション展を紹介する動画でも作るか〜!」と思ったんですね。
なぜか。
以下ではその要点を<3点>に分けてなるべく簡潔に説明していきます。
...と思ったんですが、書いていたら結構長めになってしまいました!!長いですが、よろしくお願いします!
[参考]
「独立行政法人国立美術館が達成すべき 業務運営に関する目標 」(文部科学省)
https://www.bunka.go.jp/bunkacho/shokan_hojin/pdf/94336201_01.pdf「国立博物館・美術館に「稼ぐノルマ」設定。議論を呼ぶ中期目標はなぜ生まれたのか? 背景と論点を専門家が解説」(Tokyo Art Beat)
tokyoartbeat.com/articles/-/national-museum-midterm-goals-taisuke-katayama-interview-202603
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《思考①》ゲームさんぽは博物館&美術館に「借り」がある
これまでに私が企画したゲームさんぽの動画では、東京国立博物館、国立西洋美術館、東京国立近代美術館の3館の研究員にゲスト出演を頂いています。みなさまその節は大変お世話になりました。数えてみたら動画の合計再生数は約620万回(1位はあつ森初回で何と270万超)。正確な数字はわからないですが、だいぶチャンネル登録者も増えたように思います。
また、ゲームさんぽはそもそも美術館(的な施設)で働くゲーマーが考案したものです。古参視聴者はご存知「なむ」さんですね。なむさんが、教育普及の活動で実践されている「対話型鑑賞」のフォーマットをゲーム実況のスタイルに転用することでゲームさんぽは生まれました。だから、もしこの世に美術館の実践と蓄積がなければゲームさんぽも存在していない。その意味でもゲームさんぽは美術館に文化的な「借り」があるのですね。
翻って今回の中期目標。
文部科学省が博物館&美術館に「キミらもうちょい展示でカネを稼いでくれるカナ(^-^)⭐︎??」みたいに言っていることが衝撃的だったワケですが、目標設定の是非はさておき、上記のような「借り」の感覚があるので私は「とりあえずめっちゃ大変そうだから何か協力できることってないかしら?」と思いました。これがこの動画シリーズのスタート地点です。
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《思考②》何をやる? まずは最推し、東近美!
私事ですが東近美のコレクション展めっちゃ好きなんですよね!他の館もそれぞれ好きですが、東近美は自分の通っていた大学からアクセスがよく、また学生のうちは「キャンパスメンバーズ」という制度のおかげで無料見放題だったので暇な日に結構行ってました。(暇な日かよ)
この動画シリーズでは贅沢にもその魅力を研究員の方々に直接ご紹介いただこうという次第なのですが、一般客として自分が感じていた東近美のよさみをここで2点だけ書かせてください!
【よさみ①】作品の解説文がアツい
東近美は作品に添えてあるキャプションが面白いんですよ〜。研究員の方が各自担当分野の作品の解説を書いていらして、誰が書いたかは表向きには分かりませんが、文体に書き手の個性が滲み出ている。ゆえにいずれも読み応えがあり、そして親しみやすい!
例えば、『あつ森』でご出演いただいた鶴見さんの文章はXで紹介すると普通にバズるくらいクセが光っています。別にもともと美術好きってわけでもなかった自分にとっては、美術に興味を持つ上でこういう親しみやすさが大いに助けとなりました。
▼小倉遊亀《浴女 その一》の解説文 by 鶴見さん
https://x.com/UraIida/status/1321060406186569728【よさみ②】ハズレなしの良ガチャ
MOMATコレクションの展示品は定期的に入れ替わっています。今どんな作品が出ているかは公式サイトでチェックもできますがそんな面倒くさいことは全然したくないですよね(※個人の見解です)。私は毎回何も調べないで行きます。そう、私にとってはMOMATコレクション=ガチャなんですね。
繰り返し行くと、ほぼ毎回出ているレギュラー作品と、そうでないものがあることに気づきます。
何度も目にするレギュラー作品に対してはだんだん「チッス!今日もお務めおつかれさまッス〜」と挨拶できるくらいの親しみが湧いてきて、見る度に嬉しい。逆に、初めて見るおもしろ作品に出会えたときは、ガチャでレアキャラ出たみたいな感じで嬉しい。
つまり、どう転んでも毎回嬉しい。それがMOMATコレクション。そう、これはハズレなしの優良ガチャなんですな(※個人の見解です)。
▼例えば2024年に見た「ガラスの瓶がめっちゃ光ってる不思議な絵」。不勉強にして私はこの画家のことを全く知らずでしたが、何かいいもん見たな〜と一日いい気分になりました。また見たい。
https://x.com/UraIida/status/1775904093338529808*
《思考③》 美術館・博物館はポテンシャル高い(はず)
ゲームさんぽの動画を振り返ると博物館&美術館系は軒並み再生数がいい感じ。どうやら美術について楽しく語る動画には一定以上のニーズがあるようです。
しかしこの分野で成功しているチャンネルは多くありません。美術館の公式チャンネルもたいてい苦戦しています。
その意味で、7月にご帰天された山田五郎さんは本当に稀有な存在でいらしたなとつくづく思います。ぜひお話ししてみたかった。実はお会いできそうな機会はあったんです。「エスプリの効いたおしゃれなオヤジ」(※これは所属事務所の公式見解)のご冥福をお祈りいたします。
海外の美術館だと、アムステルダムの国立美術館の「Rijks Tube」というチャンネルはサブカルチャーを通じてアートの話をするチャレンジングな路線ですごく面白い。例えば「イースターエッグ(隠し要素)」というテーマで映画・ゲーム・絵画・建築を横断的に語るみたいな。
しかし2019-2020年だけで更新が止まってしまいました。(編集に凝り過ぎて制作コストが高かったのかな? 映画の素材を引用をする時の許諾とか、どうやってクリアしてたんだろう…?)
どんな形式だと誰もが楽しく見やすいか。
制作コストはどのくらいが適切か。
正解は今のところわかりません。
ただ、ここが非常にポテンシャルのある分野であることは確信を持っています。さしあたりは(いい意味で)興味本位で制作をスタートしていきますが、しかしそのうちこれはしっかり採算の取れるものになるでしょう。
試行錯誤しながら継続していきますのでぜひ贔屓にしてください。
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